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新指針で評価見直し “中古戸建住宅”に注目!

国土交通省が3月31日に発表した「中古戸建住宅に係る建物評価の改善に向けた指針」が、中古住宅市場、リフォーム市場を活性化させるものとして期待を集めています。
話題のこの指針、“住まい手”“買い手”にとって、どんな意味を持つのでしょうか?

指針の要点を分かりやすくまとめると・・・

これまで、中古戸建住宅の市場価格は、物件の状態に関係なく一定のペースで下がっていき、築後20年~25年でゼロと見なされていました。今回の指針は、そんな現状を改善し、個々の物件を正しく評価していこうというもの。具体的には、1)築後20年~25年経った後も、その時の建物の状態と耐用年数に応じて評価する。2)「リフォームによる住宅の価値向上」を、評価額に正しく反映する。こうして、建物の「使用価値」と「市場価値」の一致を目指すものです。

内外装・設備の価値向上を反映した評価イメージ

“住まいづくり”へのメリットは?

住宅取得者にとって、売却時の我が家の資産価値は、やはり気になるところですが、今回の指針に沿って市場の慣例が改善されれば、将来の住み替えプランにも余裕が生まれることになります。これは、中古に限らずすべての住宅取得者にとってのメリットと言えるでしょう。また、リフォームを実行する上での“障壁”も低くなると考えられます。たとえば、3年後に移住を予定している家族の場合、わずかな期間を快適に過ごすための増改築は、困難な選択でした。ですが、「リフォームによる住宅の価値向上」が売却時の価格に反映されるとなれば、事情が変わってきます。もっと、住みたい家へ、我が家をカスタマイズしていく時代が来ようとしてるのかも知れません。
“ずっと住み続ける”永住派にとってはどうでしょうか。3年に一度見直される固定資産の評価(次回は平成27年)も下がりにくくなるため、固定資産税の金額が減っていくペースも緩やかになる点はデメリットとなります。一方、リバースモーゲージなど持ち家を担保に年金を受け取る契約に対しては、有利に働く可能性があります。

ストックとしての住宅を、大切に住み継いでいくために

「持続可能な社会」という大きな理念を背景に、社会資産としての“住宅ストック”が充実することにより、“持ち家から持ち家への住み替え”は、さらに容易になると予想されます。日本の中古住宅市場は成長傾向にあり、2件目の住宅を購入する人も増えていますが、たとえば諸外国と比較した場合、日本人の住み替え行動は、まだまだ活発とは言えないようです。
今後とも引き続き要注目の中古戸建市場。当コーナーでも、折に触れて新しい動きをお伝えしていく予定です。

国内の既存住宅取引数、取引割合時系列 「60歳以上の平均住宅購入回数」日米比較

詳しくは、こちらへ

国土交通省「中古住宅・リフォーム市場の活性化に向けた取り組み
http://www.mlit.go.jp/policy/tyukozyutaku.html
国土交通省「中古戸建て住宅に係る建物評価の改善に向けた指針」
https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/sosei_const_tk3_000089.html

ここがポイント!

「中古戸建て住宅に係る建物評価の改善に向けた指針」とは?

●国土交通省が発表した「指針」。今後、市場はこの方向で動くと考えられる
●これまで「築後20年~25年で資産価値ゼロ」と見なされてきた戸建住宅の価値評価の慣行を改め、(築20~25年を経過していても)状態の良い建物の評価額が下がりにくくする
●リフォームによる「住宅の価値向上」が、住宅の評価額に反映されるようにする

具体的なメリットは?

●購入時:近い将来の急激な値下がりを心配せず、希望条件に合った住宅が入手しやすくなる
●転売時:建物の状態が良ければ評価額が下がりにくくなるため有利に。住み替え計画にも余裕
●増改築・修理することによって建物の価値が上がるので、リフォームを実行しやすくなる

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