車庫まわりのエクステリア計画のポイントは、まず第一に、安全に車を出し入れできること。そして、室内からの眺望にも配慮しながら、住まいの外観を美しく見せる車庫位置を見つけること。余裕があれば、敷地内で自由に車を回せる動線も考えてみましょう。
最低限必要なのは、車のサイズ+乗り降りや荷物の出し入れができるスペースですが、楽に車の出し入れができるよう余裕を見ておくことが必要です。車を買い替えたり、台数が増える可能性についても予め想定しておきましょう。 どんな駐車方法(道路に対して直角・平行等)を選ぶかによって、道路から見た住まいと街並みの印象が変わりますが、特に、直角駐車の場合は、建物の側面がよく見えるため、街並みへの影響が大きくなります。2台駐車の場合は、出し入れのしやすさとにファサードの印象の両方を考慮しながら決定しましょう。
並列駐車(直角)
2台とも楽に出し入れできるがファサードゾーンは圧迫される。
縦列駐車(直角)
手前に通勤用、奥に休日用。
ファサードゾーンに余裕が生まれる。
直角+平行駐車
2台目または来客用は、ファサード ゾーンの一部にまたがるカタチで。
道路と接する駐車スペースは、前面道路の状態によって左右されますが、その際、車の通り道については充分シミュレーションしておきましょう。たとえば、直角駐車の場合、軌跡が外側にふくらむため、前面道路幅が狭いと、駐車スペースの幅を広くとる必要があります。
前面道路幅と駐車スペースの関係(直角駐車の場合)
建物との位置関係を決定する上では、外観への影響のほか、室内からの眺望も重要な要素です。たとえば、1階居室の窓を開けると至近距離に車がきてしまうといった状態を避けるには、建物に対して斜めに駐車するなど、ちょっとした調整で室内からの眺めがぐんと良くなります。
主庭や物置のあるバックヤードとの関係では、買ってきた園芸用品や日曜大工の資材を庭に持ち込む、物置の荷物やバーベキューセットなどを庭に運ぶ、外へ持ち出すといった具体的なケースを想定しながら、なるべくアプローチを圧迫せず車の動線が確保できる位置関係を探します。
和室の眺望を犠牲にしたくない場合は、斜め駐車が有効。緑のバランスも重要。
車庫まわりの安全確保は、「車の出し入れの際の安全」と「駐車中の防犯対策」の両面から考える必要があります。
出し入れの際の安全確保には、まず良好な視界が欠かせません。平面図のみで決めるのではなく、立体的にシミュレーションしておきましょう。接している道路が急勾配の斜面の場合、バックで出庫すると道路状況が見えない場合があるので要注意です。
防犯対策には、まず車庫前の扉を適切に選択することがポイント。必要に応じてシャッターなどのユニットを組み合わせることで、盗難やいたずらから愛車を守ることができます。
防犯性を高めながら、住まいのもう一つの顔をつくるシャッター。