内装材というくくりで見れば、塗り壁もそのひとつ。
「塗り壁」に対して「張り壁」という言葉があるように、他の内装材は、構造材がむき出しの場合を除き、何らかの下地の上に張る(または貼る)マテリアルです。
自然素材を原料とし、人にも環境にもやさしい素材。独特の風合いと、調湿性など日本の風土に合った機能が特徴です。左官職人の手作業で仕上げられる「左官工法」、または、クロス貼りなどの乾式工法に対し、「湿式工法」と呼ばれます。
接着剤を使用し、内壁下地材の表面に貼り付けるタイプの内装仕上げ材を総称して、一般には「壁紙」、建築業界では「クロス」と呼ばれます。施工が比較的容易で、貼り替えるだけでお部屋の雰囲気を一新できますが、シックハウス症候群の誘引物質の懸念のほか、時とともに味わいを深める性質もありません。
内装材として使われる板材は、壁材よりも、床材や天井材としておなじみ。温度や湿度の変化による反りや歪みを防ぐため、基材となる合板の表面に天然木などを接着剤で張り付けた化粧合板が主流です。味わい深い表情を備えていますが、板材そのものに調湿機能や防音機能はありません。