塗り壁特有の味わい深い表情と、健やかな室内環境をつくる素材。天然の土や砂など、塗り壁の原料として使われてきた伝統的素材や、昨今特に注目の高まっている機能素材の特徴をご紹介します。
植物性プランクトンの一種である珪藻(けいそう)の死骸から形成された多孔質な土。調湿性、断熱効果、吸音性、遮音性、耐火性に優れた高機能素材として、特に、人にやさしい健康素材として注目を集めています。
聚楽土の名は、太閤秀吉が京都に聚楽第を造成した際、その地から採れた土を使用したのが始まりと言われています。最高級天然土として、希少価値のある材料です。
なめらかな仕上がりが特徴の砂壁の上塗りのほか、さまざまな塗り壁の基材として、古くから使われている素材。粒子が均一で異物の混入が少ない川砂が最適とされています。
カシまたはウバメガシを高温で炭化させた、硬度の高い備長炭を、四国化成が独自の技術で内装仕上げ材に活かしました。炭の持つ吸着効果や調湿効果により、快適な室内空間をつくります。消臭効果の高さから、飲食店にも多く採用されています。
一般的には、消石灰と天然海藻から精製した糊、麻などのスサを練り合わせて材料を作ります。塗布後、空気中の二酸化炭素を吸着・反応して炭酸カルシウムを生成しながら硬化し、強い壁面を形成することから、外壁の塗り材としても古くから親しまれてきた壁材です。日本では、寺院建築の内外装や民家の蔵などに広く使用されています。